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2020年10月27日

2020年10月25日 日曜日 8:30 第19回放送

今回は、主要16動詞の12番目と13番目である ‘Put’ と ‘Set’

どちらにも共通する日本語の対訳は「置く」。しかし‘Put’は「家に帰って来て手荷物を床の上に置いた」と言うように、物理的に物置くことを表す。それに対して‘Set’ は物を置いた先に目的がある場合に用いる。

しかし英和辞典では、’Put’ も ‘Set’ もそれぞれの意味の説明はしているが、共通する日本語訳である「置く」と言う語のニュアンスの違いについてまでは説明がない。それゆえ、辞書にある日本語の説明をいくら読んで理解したところで、それぞれが持つ英語における感覚を理解し身につけることはできない。

また、英和辞典は日本語で説明がされている以上、日本語の感覚に沿って書かれている訳で、それゆえ誤った内容を書いている場合も少なく無い。

例えば ‘naive’ という単語。日本語では「繊細・傷つきやすい」と言った意味で用いられるが、元はフランス語。その意味は日本語で用いる意味合いの他に「世間知らずのバカ」と言ったものがある。

‘naive’ は英単語としても活用されているが、先にあげた後者の意味合いしかない。だから「繊細」という意味のつもりで、英語を母国語とする人に対して「あなたナイーヴね」などと言おうものなら「バカとはなんだ!」と言って食ってかかられるかもしれないということが想像できる。

英語では前者の意味合いがないのにも関わらず、英和辞典にその意味が載っているのは明らかに間違いであるが、日本語の感覚に沿って書かれていると、こう言ったケースは少なからず生まれてくる。

後半

菅首相が Twitter でトランプ大統領に「早くコロナから回復して下さい」と言った内容のメッセージを送ったことに対して、日本のメディアが菅首相の英語力を「翻訳機にかけた低レベルな物」と言う風に酷評したというニュースが数週間前にあった。

「確かに、翻訳機にかけたかもしれないと思う点は一つあった。しかし文章が簡単でわかり易かった」とミトは言う。さらに「トランプは簡単でわかり易い表現でコミュニケーションを行うことを好む人物。もしそのことをわかった上で、あえて簡単な表現でメッセージを送っていたとしたら、メディアのしたの酷評はとんでもなく浅はかな意見だ、と言うことになる」ともコメントする。

それに対して「『簡単でわかり易い表現を好む英語を、難しい表現ができることを教養があると考える日本語の感覚で判断するのは間違いだ』と言うことですね」とユウコが返す。