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2020年9月3日

2020年08⽉16⽇ ⽇曜⽇ 8:30 第9回放送

三⼈称の ‘s’理屈もなくただ覚えるのは苦痛。

家庭教師のミトの友⼈は以前三⼈称の動詞の変化を「喧嘩しても⼤丈夫か」という視点から説明した:例えば ‘eat’ (⾷べる)。英語においては⾃分が⼀番重要な存在であるので、⼀⼈称である⾃分がとる動詞には “I eat” のように ‘s’ つまり余計なものはつかない。

⽬の前にいる相⼿、つまり⼆⼈称である ‘you’ に対して⾒下した態度をとったとして、仮に⼤変強い相⼿で殴りかかられたらまずいので、⽬の前の相⼿にも “You eat” というように余分な ‘s’ はつけない。

1⼈称、2⼈称、複数においても⾃分を含む集団、あるいは複数いる相⼿においても、⼤勢で殴りかかられたら太⼑打ちできないので “We/You eat” というように、余分な ‘s’ はつけない。

また、3⼈称複数である ‘they’は、その場にいない集団とはいえ、⼀⼈ではない。⾒下したことが後にバレて、集団でかかってこられると困るので “They eat” のように余分な ‘s’ はつけない。

残りの ‘he’ ‘she’ ‘it’ は⽬の前にいない3⼈称の上に、単数であるため、仮に⾒下していたことが後にバレても、トボけて逃げることは可能。よって ”He eats” “She eats” “It eats” のように余分な ‘s’ をつければ良い。
と⾔ったものだった。これは素晴らしい考え⽅だ。

しかし、’we’ (私たち)ではなく “You and Ieat” のように複数の主語で動詞を取る場合に ‘you’ を先に⾔う理由を、ミトの友⼈は「⽬の前にいる相⼿を先に⾔って⽴てる必要があるからだ」と説明した。これは⼤変⽇本の感覚に頼った考え⽅である。英語の感覚では “You and I eat” では ‘I’ のすぐ後に ‘eat’ が来ている、つまり⼀⼈称が動詞をとっている。

⾔い換えるとこの⽂においての主導権を握っているのは⾃分だということである。この⽂の場合、結果的には同じでも「相⼿を⽴てるのか」「⾃分が⼀番重要なのか」という完全な考え⽅の違いがある。⽇本の⽬線の考え⽅で理解しようとしていると、必ず表現のニュアンスにズレが⽣じる。これが全てに反映し、コミュニケーションが円滑に⾏われなくなる原因になる。

今⽇の1曲:Blue by LeAnn Rimes

ミトの友⼈が昔買ったCD に⼊っていたカントリー調の1曲。ミトによる選曲。

ユウコとミトとの出逢い。1年以上前、共通の知り合いが主催したある⾼校での授業にユウコは⾒学者として、ミトは講師として参加していた。授業前の打ち合わせで、ミトがニュージーランド国籍だと知り、ユウコの友⼈に⾮核国について研究している者がいるので、⼆⼈を引き合わせたらいいのではないかと思い、ユウコがミトに話かけたのがきっかけ。